指導方針
数学の面白さを伝えます。
数理科学的なものの見方を身につけるための講義・演習と、高度な思考訓練を行います。
数理科学的なものの見方を身につけるための講義・演習と、高度な思考訓練を行います。
数学の学習において、やるべきことは簡単にいえば、「数学的知識を身につける」 「思考力を身につける」この二つです。そのためにどのようなことをしているか述べてみます。
まず、「数学的知識」とは、「公理」「定義」「定理」などになります。中には、とても一般的な考え方や公式も含まれます。これらを身につけるには、単なる暗記ではすぐに忘れます。多くの「数学的知識」は漢字や年号などの単純な記憶とは異なり、とても多くの情報を含んだモノになります。これは、日常使われる難解な言葉と似ています。これらの言葉の知識は、普段の生活の中での体験を通して、例えば新聞・一般書籍を読んだりすることで徐々に理解が進んでいきます。一方、数学の知識の場合大半は人間が頭の中で作ったこの世にないものなので、意識的に手に入れていかないと普通に暮らしていても身につきません。ただ、無理やり覚えようとしてもなかなか身につかず、すぐに忘れます。そこで、その知識を使う問題演習を通して身に付けようとします。この方法は、もちろんどこでもやっていることですが、それでも身につかない人が多いのも事実です。なぜそうなるかというと、生徒がそのことに興味がない からです。そこで、TMSでは、ワンパターンの演習ではなく変化に富む問題を解くことでそれを意識してもらい、また、実感の乏しい数学知識と現実とが実は結びついていることがわかるような問題を演習することで生きた知識となるよう指導しています。要するに「面白い!」と感じれば、心が動けば、知識として残っていきます。また、それを使えば、今までわからなかったことが理解できたり、答えが導けたりするので、そういった経験を積むことでその知識は自分にとっての「常識」と変わっていきます。そうなれば、無理に記憶しておこうとする必要はなく、忘れません。「数学の面白さ」がわかれば一つ目はクリアーできます。
次に二つ目の「思考力」ですが、これは、計算力をつけるには計算するしかなく、泳ぐのが上手になるには泳ぐしかないように、「考える」しかありません。もちろん、正しい計算方法がわからない、正しい泳ぎ方がわからなければ、計算することも泳ぐこともできないのと同様、正しい考え方を知る必要はあります。例えば、問題を解く場合では、その問題の条件ををどのように整理、分析するのか?、あるいは、どのようなものと連想するべきか? などです。このような力をつけていくためには、演習する問題はあらかじめ解き方がわかっているようのものでは効果がありません。したがって、TMSでは、すぐには解法がわからない問題を使って授業の中で「思考訓練」を楽しく行っています。もちろん「楽しく考える」ために色々な工夫をこらした授業にしています。そして、「考える」ことで、問題が解決する経験を積み重ねていく。そうして「考える」こと自体の楽しさがわかってきます。すると、塾の授業以外で問題を解くときも自然とこの訓練は続けられ「思考力」がついていきます。そして、数学の問題解決力がつき、数理科学的なものの見方を手に入れることができるのです。
余談ですが、ある数学の先生が「数学ができない生徒が多くて大変です。まあ、他の教科と違って数学は覚えることが多いので仕方がないですが。」と言われ私はびっくりしました。今や「数学」は一部の人にしてみると暗記教科のようです。多くの解法を覚え、それを当てはめる訓練では、未知の問題に対応する力や「思考力」はつかないと思うのですが。